2016-10-03 (Mon)

紙幣(しへい)とは、広義には、公的権力(主に国家)により通貨として強制通用することが認められている紙片である。政府の発行する政府紙幣(Print money)と銀行(中央銀行など)の発行する銀行券(Bank note)があるが、狭義には前者のみを指す。特定地域だけで通用する地域紙幣(地域通貨)が発行されることもある。現在の多くの国では中央銀行の発行する銀行券が一般的であるが、シンガポールなど政府紙幣を発行している国もある。現在多くの先進国の中央銀行が完全な国家機関ではなく、民間企業の投資などで出来ていることから、中央銀行のありかたを疑問視する考え方が最近世界中で起きている。そのため代替案としての政府紙幣、地域通貨なども再び脚光を浴びはじめている。
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【政府債務の問題を倫理や道徳の問題で語ろうとする、間違った考えの人が多すぎ】て本当に困ります。

彼らは政府の借金はゼロになることが倫理的に正しい状態で、【一円でも政府が借り入れをしていたら不健全だと考える】ようです。

しかし、【政府の借金は必ずしも「完済」する必要はありません】。

まして、【借金をゼロにしなくてもいい】のです。

その理由は、【政府の寿命が一般人とはまったく違う】、というところにあります。

通常、【多くの人が政府債務の問題と、個人の債務問題を混同しています】。

確かに個人で借金をした場合には、返済期限までに完済するのは常識です。借金を踏み倒すことは倫理的に許されない、泥棒のような行為といわれても仕方ありません。
しかし、【政府の場合は個人の借金とは決定的に違うところがあります】。それは、【個人はいつか死にますが、政府は死なない】という点です。

こんな喩(たと)え話で考えてみましょう。
①鈴木さんは30代で一念発起してマイホームを購入しました。もちろん、お金は足りませんので、30年ローンで3000万円の借金をします。
↓
②鈴木さんが60代でローンを完済するころ、この家が古くなって住み心地が悪くなってきました。そこで鈴木さんは一念発起して、家を建て替えることにしました。もちろん、お金は足りませんので、30年ローンで3000万円の借金をします。
↓
③鈴木さんが90代でローンを完済するころ再び家が古くなり、住み心地が悪くなってきました。そこで鈴木さんは一念発起して、家を建て替えることにしました。もちろん、お金は足りませんので、30年ローンで3000万円の借金をします。
↓
④鈴木さんが120代でローンを完済するころ再び家が古くなり、住み心地が悪くなってきました。そこで鈴木さんは一念発起して、家を建て替えることにしました。もちろん、お金は足りませんので、30年ローンで3000万円の借金をします。
↓
⑤鈴木さんが150代でローンを完済するころ再び家が古くなり、住み心地が悪くなってきました。そこで鈴木さんは一念発起して、家を建て替えることにしました。もちろん、お金は足りませんので、30年ローンで3000万円の借金をします。
実は、【鈴木さんは政府と呼ばれる死なない生命体】だったのです!

鈴木さんは単に死なないだけではありません。100歳を超えても元気にバリバリ働けます。鈴木さんの仕事は町内会を回って会費を集めることであり(【徴税権】)、そして、鈴木さんの奥さんは偽札作りの名人(【通貨発行権】)です。【銀行は安心して鈴木さんに住宅ローンを融資できる】わけです。
これは笑い話でもなんでもなく、【政府債務の本質を表す寓話】です。【政府というのは徴税権と通貨発行権を持ち、永久に生き続ける】と想定されています。よって鈴木さんのように、【永久に借金を繰り返すことができる】のです。』

いかがでしょうか?
「政府債務の問題を倫理や道徳の問題で語ろうとする」・・・本当に、勘違いしている人が多いですね♥
メディアが「国の借金1000兆円」などと喧伝している「政府債務」を考える前に、まずは、整理して考えてみましょう♥
ここでいう「政府」ってなんでしょう?

現代のマクロ経済学の世界では、一般的に、経済の主体は、「政府・家計・企業」として定義しています。
そして、それらの三つの経済主体を合わせたものが、例えば私たち日本人なら、「日本国」という国家全体を表すものになります。

ですので、あくまでも経済学の考え方では、「政府」≠「日本国」となります♥
「政府」も「家計」も「企業」も、それぞれが経済活動を行います。もちろん、「借金」もします♥
政府の借金を「政府債務」、家計の借金を「家計債務」、企業の借金を「企業債務」と呼びます。
別の言い方をすれば、「公的債務」と「民間債務」に分けることができます。
「家計債務」や「企業債務」といった「民間債務」は、働いて稼いでくる給料や、商品やサービスを提供することで上げた利益が、「借金」を返済するのに必要な主たる原資となります。
ところが、「政府債務」は、まったく違っています♥
「政府」は、「税金」を徴収することが可能だからです♥ これが、本文中にあった「徴税権」です。

そして、もう一つ。「政府」は、子会社といえる「日本銀行」を通じて、「おカネ」そのものを生み出すことができます♥ これが、本文中にあった「通貨発行権」です。
ここで、政府・家計・企業のそれぞれが、1億円の借金をしていたとします。このとき、政府の収入も、家計の収入も、企業の収益も、年間500万円だったとします。
それでは、この三つの経済主体の中で、みなさんが「おカネ」を貸しても良いと考えるのは、どれになりますでしょうか?
家計の収入や企業の収益は、不安定になる可能性があり、また「破産」、「倒産」といったリスクが高いですが、「政府」には、収入を安定させる「徴税権」と、返済原資を生み出す「通貨発行権」という強力な手段が担保されています♥
答えは、アレコレと考えるまでもなく「政府」ですね♥ 三つの経済主体のなかで、「政府」は特殊な存在であることが理解できますね♥

それでは、法律上はどのように規定されているのでしょうか?

「 財政法
第一条 国の予算その他財政の基本に関しては、この法律の定めるところによる。
第二条 収入とは、国の各般の需要を充たすための支払の財源となるべき現金の収納をいい、支出とは、国の各般の需要を充たすための現金の支払をいう。
2 前項の現金の収納には、他の財産の処分又は新らたな債務の負担に因り生ずるものをも含み、同項の現金の支払には、他の財産の取得又は債務の減少を生ずるものをも含む。
3 なお第一項の収入及び支出には、会計間の繰入その他国庫内において行う移換によるものを含む。
4 歳入とは、一会計年度における一切の収入をいい、歳出とは、一会計年度における一切の支出をいう。
第三条 租税を除く外、国が国権に基いて収納する課徴金及び法律上又は事実上国の独占に属する事業における専売価格若しくは事業料金については、すべて法律又は国会の議決に基いて定めなければならない。
第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
2 前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。
3 第一項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。
第五条 すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。 」

まず、「財政法」の第4条で、政府の支出には、「公債(国債、政府関係機関債及び地方債など)」や「借入金」といういわゆる「借金」ではなく、それ以外の収入(主に税金)を財源とすることが定められています。これは「徴税権」の行使を促すものです。

しかし、そのあとすぐに、但し書きで、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源」については、「公債」や「借入金」といった「借金」が認められています♥
そして、続く「財政法」の第5条で、「公債」を日本銀行が引き受けてはならないこと(市中消化の原則)、「借入金」は日本銀行以外であること、が定められています♥
このことは、政府の子会社といえる「日本銀行」に、直接的に「おカネ」を発行させて、親会社の政府に「貸付」することを禁じていることを意味します。間に、主に「民間の銀行」を入れなさい、ということです♥
さて、財務省のホームページに掲載されている最新の国の財務諸表が次のようになっています。「国」とありますが、ここでは「政府」と置き換えて考えてみてください。

☆国の財務諸表 貸借対照表(平成26年度)
平成26年度末(2015年3月末)時点で、政府の資産は、約680兆円もあり、しかも前年度比で約27兆円も増加しています♥
また、政府資産の内訳の主なところを見てみますと、現金・預金が約28兆円、有価証券が約140兆円、貸付金が約140兆円、運用預託金が約100兆円、出資金が約70兆円となっていて、合計で約478兆円、資産全体の約70%が金融資産となっています♥
他方、政府の負債は、約1,172兆円で、前年度比約29兆円の増加となっています。そのうち、約885兆円が「公債」となっています。
政府の資産と負債を併せて考えますと、差し引きで約492兆円の債務超過となります♥
メディアが喧伝している「国の借金1000兆円」が、正しくないことがお判りいただけますね♥
正しくは、「政府の純債務は492兆円」となります♥

日本経済新聞 風見鶏 政治部次長 高橋哲史 2014年11月23日
こちらもご参照♥
↓
☆国の借金1000兆円♥
続いて、政府の子会社といえる「日本銀行」の財務諸表も見てみましょう♥

日本銀行の財務諸表 貸借対照表(平成26年度)
☆第130回事業年度(平成26年度)決算等について
平成26年度末(2015年3月末)時点で、日本銀行の資産は、約324兆円あり、しかも前年度比で約82兆円も増加しています♥
その日本銀行の資産のうち、約84%を「国債」が占めています♥ 前年度比の増加分の大半も、この「国債」の増加分となっています♥
これは現在行われている量的緩和で、日本銀行が市中金融機関から「国債」を買い続けていることによって生じている現象です。
で、このとき、日本銀行は「通貨発行」を行っているんです♥ 実際に「紙幣」を発行するわけではなく、市中金融機関が日本銀行に持っている「口座」、すなわち「日本銀行当座預金」の残高に、買い入れた国債の代金が積み上げられます♥
日本銀行の負債を見てみますと、資産と同様、約324兆円で、前年度比でみても資産と同様に、約82兆円の増加となっています。
この「日本銀行当座預金」の残高は、現金通貨として支払い(=引き出し)を要求された場合、日本銀行が「日本銀行券」(=紙幣)を発行しなければならないんですが、その場合、日本銀行は「紙幣」を印刷すればいいだけです♥
そもそも、「日本銀行券」(=紙幣)は、日本銀行の「借用書」でしかありません♥ つまり、「おカネ=借金」ということです♥
「おカネ=借金」という「おカネの本質」を見抜いたミヒャエル・エンデのお話は、すでに何度も書かせて頂いてます。
もしも、仮に、日本銀行も含めた政府が、その「借金をゼロにする」と・・・アラアラ、不思議なことに、みなさん(家計や企業)が所有している「おカネ」も消滅してしまいます♥
こちらもご参照♥
↓
☆日本が大好きだったミヒャエル・エンデ
それでは、日本銀行の負債にある、発行銀行券の約90兆円、そして当座預金の約202兆円、合計292兆円は、一般的な負債と考えることが正しいでしょうか?
「通貨発行」が可能な日本銀行にとっては、負債でも何でもありませんね♥

では、この約292兆円を、日本銀行の貸借対照表から除去しますと、負債勘定は約28兆円(約320兆円―約292兆円)となり、純資産は約296兆円となります♥
そして次に、さきほどの政府の純債務と併せて考えますと、差し引きで約196兆円の債務超過となります♥
メディアが喧伝している「国の借金1000兆円」の、およそ5分の1の金額にまで縮小してしまいました♥
正しくないことがお判りいただけますね♥

問題は、この約196兆円の債務超過の状態を、どうやって解消していくのかというところにあります♥
続きは次回に♥
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