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     >  ローマ >  「壁」が良いのか、「道」が良いのか♥

    「壁」が良いのか、「道」が良いのか♥

    RomaViaAppiaAntica03.jpg
    アッピア街道(ローマ市内)
    ローマ街道(ローマかいどう)とは、古代ローマ時代に主要都市を結ぶように作られた道路のことである。ローマ街道の歴史は、紀元前312年にローマのケンソルであったアッピウス・クラウディウス・カエクスの要請により敷設されたアッピア街道(Via Appia)に始まる。それまでも、サラリア街道(Via Salaria、「塩の道」の意)などの街道は存在したが、軍隊の迅速な移動を目的とした舗装されたローマ街道は、アッピア街道が最初である。以後、敷設されたローマ街道には、その街道を敷設したケンソルや属州総督などの名前が冠せられることとなる。
    初期のローマ街道は、ローマからイタリア半島の主要都市を結ぶだけであった。しかし戦争を重ね、領土が広がるにつれローマ以外の都市から都市へ結ばれるようになる最終的にはイタリア半島のみならず、ガリアやブリタンニア、イベリア半島、アフリカ、ギリシャなどローマの属州にも敷設され地中海全域に網の目のように敷設されることとなった。また、軍事目的で敷設されてはいるが、軍事に関係のない一般市民でも利用することが出来たため物流などの経済面でも大きな影響があった

    Italy_topographic_map-ancient_Roman_roads.png
    イタリア半島の主要ローマ街道

    『 ローマ人の言語であるラテン語では、

    街道を敷設することを「ヴィアム・ムニーレ」(viam munire)と言った。

    ヴィアムは道路で、ムニーレは建設を意味する。

    ところが、「ムニーレ」にはもともと「防御(ムールス、murus)を築く」という意味がある。

    つまり、古代のローマ人は、

    延々とつづく街道の敷設とは延々と連なる防壁を築くと同じ、と考えていたのであろう。

    Forum_Romanum_Rom.jpg
    フォロ・ロマーノは、古代ローマの中心部「フォルム・ロマヌム」の遺跡である。

    実際、…ローマ街道とは、幹線ともなればことごとく

    一面に大石を敷きつめた四メートルを越える車道両側三メートルずつの歩道の計十メートルを超える幅をもち

    深さも四層からなる一メートル以上になるよう設計されていたからである。

    「水平」であるこの街道を、「垂直」に立てさえすれば、

    堅固な防壁に一変するのだった。

    紀元前三世紀とは、偶然にしろ、

    地球の東と西で大規模な土木事業がはじまった時代でもある。

    The_Great_wall_-_by_Hao_Wei.jpg
    万里の長城

    東方では、万里の長城…秦の始皇帝時代…だけでなく、十六世紀の明の時代…まで加えると、

    その全長は五千キロにおよぶ。

    西方では、ローマ街道網

    前三世紀から後二世紀までの五百年間にローマ人が敷設した道の全長は、

    幹線だけでも八万キロ(=万里の長城の16倍)

    支線まで加えれば十五万キロ(=万里の長城の30倍)に達した

    Roma_dallaereo.jpg
    現在のローマ

    なぜ支那ローマは、国家規模の大土木事業をはじめるに際し、

    一方は長城の建設を、他の一方は街道の建設を選択したのであろうか。

    考え方のちがいにあったのではないか…

    防壁は人の往来を断つが、街道は人の往来を促進する。

    自国の防衛という最も重要な目的を、異民族との往来を断つことによって実現するか

    それとも、自国内の人々の往来を促進することによって実現するか

    両民族のこの面での考え方の相違は、

    支那ローマという古代の二大強国にとって、

    国家のありようまでも決めることになるのである。』

    支那は「臆病」で、ローマは「勇敢」だったんでしょうか♥

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